日付:2017-12-25 |
関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2018年度予算案の内容が明らかになりました。
9月の概算要求(塩川鉄也HPの「活動日記」2017年9月4日付をご覧ください)との主な変更点は以下の通り。
1)陸上総隊庁舎(朝霞駐屯地)の新設費用23.3億円を新たに計上。今年度で庁舎建設工事は完成する予定だったが、①深さ20メートルの地下施設工事において想定以上に地下水位が高く、山留めなどの追加対策工事が必要になったこと、②建設残土処分費用も増加したことにより、概算要求では計上していなかった予算を手当てすることになった。
2)陸上総隊隷下部隊の経費について、来年度予算案に計上していたものの一部を前倒しして、補正予算案に計上した。合計額は概算要求と変更はない。中央特殊武器防護隊(大宮)やシステム通信団(市ヶ谷)、水陸機動団(相浦)の経費が、大きく前倒しされている。
詳細は以下の通りです。
1.米軍施設(横田飛行場、所沢通信施設、大和田通信所、厚木海軍飛行場)に係る概算要求額とその内容 | ||
横田飛行場提供施設整備 | 歳出ベース4億4000万円 | 契約ベース25億8800万円 |
倉庫(給油機器)、整備用格納庫、ユーティリティ(給電・給水)。いずれも継続事業。 | ||
厚木海軍飛行場提供施設整備 | 歳出ベース10億5900万円 | 契約ベース25億3200万円 |
汚水排水施設、雨水排水施設、工場(車両)改築、ユーティリティ(給電)。いずれも継続事業。 | ||
所沢通信施設提供施設移設整備 | 歳出ベース40億6400万円 | 契約ベース8億4900万円 |
所沢通信基地内に東西連絡道路を建設するための通信局舎、アンテナ3基の移設工事経費。 | ||
大和田通信所に関係する経費は計上していない。 | ― |
― |
― |
2.陸自駐屯地(朝霞・大宮・相馬原・宇都宮・北宇都宮・勝田・土浦・霞ヶ浦・古河・習志野・木更津)及び空自基地(百里・熊谷・立川・横田・府中・入間)における「施設整備費」に関する概算要求額とその内容 | |
朝霞駐屯地 | 約23億円 |
庁舎の新設(第一師団の偵察部隊が使用するスペースが手狭になったので新庁舎に入れる)、広報センターの改修(オリパラにあわせて「りっくんランド」の化粧直し)、運動施設等の整備(ラグビー場の芝生の張替え、トイレ整備)。 | |
陸上総隊 | 23.3億円 |
今年度で庁舎建設工事は完成する予定だったが、①深さ20メートルの地下施設工事において想定以上に地下水位が高く、山留めなどの追加対策工事が必要になったこと、②建設残土処分費用も増加したことにより、概算要求では計上していなかった予算を手当てすることになった。 | |
大宮駐屯地 | 約1億円 |
外柵の整備(宿舎整理による用地の財務省移管に伴い、駐屯地境界の外柵をつくる)。 | |
習志野駐屯地 | 約2億円 |
運動施設等の整備(ラグビー場の芝生の張替え等)。 | |
木更津駐屯地 | 約2億円 |
電源の整備(電話交換機のIP化に伴う非常用電源の整備)。 | |
百里基地 | 約28億円 |
電子整備場新設、制動傘乾燥塔新設、フライト・シミュレーター施設新設、完成弾薬庫新設、器在庫新設、エンジン整備格納庫改修、武装整備格納庫改修。 | |
熊谷基地 | 約6千万円 |
浴場の改修。 | |
府中基地 | 約2千万円 |
庁舎の改修(電源設備改修)。 | |
入間基地 |
約89億円 |
誘導路の改修9億円・弾薬作業所の新設0.9億円・整備場の改修3億円(いずれもC2輸送機受け入れのため)、託児所の改修0.6億円、既設建物の解体1億円(航空医学実験隊1・2部及び航空安全管理隊の受け入れのため)、自衛隊入間病院の新設54億円、災害対処拠点地区等の整備20億円、通信局舎の改修0.1億円(空調改修)、調査工事0.5億円(C2の洗機場)。 |
|
相馬原駐屯地、宇都宮駐屯地、北宇都宮駐屯地、勝田駐屯地、土浦駐屯地、霞ケ浦駐屯地、古河駐屯地、立川基地、横田基地はなし。 | ― |
― |
3.陸上総隊隷下の部隊(司令部および司令部付隊、第一空てい団、第一ヘリ団、中央即応連隊、特殊作戦群、中央特殊武器防護隊、対特殊武器衛生隊、国際活動教育隊、中央情報隊、システム通信団、水陸機動団)及びその他の主な部隊に係る概算要求額(装備品等)とその内容 | |
陸上総隊司令部及び司令部付隊(朝霞) | 約32.6億円 |
庁舎新設工事23.3億円、IED対処機材(金属探知機・UGVなど)。なお今年度補正予算案で約0.2億円計上。 |
|
第一空てい団(習志野) | 約9.7億円 |
空挺傘、救命胴衣など。 | |
第一ヘリ団(木更津) | 約694.0億円 |
オスプレイ98億円×4機。技術調達経費。 | |
中央即応連隊(宇都宮) | 約0.9億円 |
火器定期整備。なお今年度補正予算案で約0.1億円計上。 | |
特殊作戦群(習志野) | 約7.8億円 |
なお今年度補正予算案で約0.1億円計上。 | |
中央特殊武器防護隊(大宮) | なし |
なお今年度補正予算案で約4.1億円計上。NBC警報機、除染セット。 | |
対特殊武器衛生隊(三宿) | 約0.3億円 |
生物剤対処用衛生ユニット維持。 | |
国際活動教育隊(駒門) | 計上事業なし |
― | |
中央情報隊(朝霞) | 計上事業なし |
― | |
システム通信団(市ヶ谷) | 約1.2億円 |
移動型通信システム(無線バックアップ用の可搬器材)。なお今年度補正予算案で約8.8億円計上。 | |
水陸機動団(相浦) | 約7.7億円 |
水中偵察用備品、120ミリ迫撃砲2門、倉庫。なお今年度補正予算案で約6.3億円計上。水中偵察用備品、浄水セット。 | |
大井通信所(ふじみ野市) | 約0.4億円 |
警備員に係る役務。 | |
防衛医科大学校(所沢) | 約129億円 |
患者医療費40億円、機器維持費49億円、インフラ整備費22億円、医療備品整備18億円、防衛医学研究センター0.5億円。 | |
航空医学実験隊(入間) | 約6億円 |
航空用医療器材、遠心力発生装置設備調整役務。 | |
航空機動衛生隊(小牧) | 約300万円 |
機動衛生ユニット維持費。 |
|
陸自化学学校(大宮) | 約500万円 |
学校教育に必要な消耗品、教材等の経費。 |